会社紹介2018.06.12

長野へ。信州カラマツ製材工場を訪問 

長野県・信州カラマツ専門の製材工場に行ってきました。

ここ最近、カラマツ需要が高まっているという話題をよく耳にします。

耐久性や強度面が評価され、土木用材や合板用途としての出荷量が増えているほかに、

外壁材やフローリング、デッキ材などとしても利用が増えているそう。

 

ということで、今回カラマツ産地として有名な長野県で、カラマツを専門に製材加工している

小林木材さんを訪問させていただきました。

北海道や岩手県などでもカラマツは有名ですが、歴史を辿ると最初にカラマツが造林されたのは

長野県(川上村)で、そこから各地に拡がっていったそうです。

その長野県は、想像の通り豊富な森林面積を誇る地域ですが、人工林のうち半数以上がカラマツという

全国の中でも珍しい県になります。

 

今回訪問させていただいた小林木材さんは、真田丸でも脚光を浴びた上田駅から

車で30分ほどの小県郡長和町という場所にあります。

東京から新幹線を使えば、2時間程度で行けちゃいます。

 

小林木材さんの工場は周囲を蓼科山や美ヶ原高原に囲まれた自然豊かな場所にあり、

敷地内にはカラマツの原木がはい積みされてます。

 

 

製材機は、台車タイプでハンドルマンによって丁寧に製材されていきます。

 

小林木材さんでは、無垢の梁材・桁材などの構造材の他、

壁板・床板・外壁材の加工も得意とされてます。

 

カラマツのヤニ(樹脂)処理も丁寧に。

カラマツは、ヤニ(樹脂)が多く分泌される材としても有名です。

粘り気も強いこのヤニは、当然ながら建築材や家具材としては厄介扱いされるわけですが、

小林木材さんでは、2つの工程でこの事象に対応されてます。

 

1.脱脂乾燥

高温高湿乾燥機で含水率を下げる過程で、蒸気をあてて材内部にある精油分を

木材の外に留出させます。固形成分はそのまま残りますが、これにより液状の樹脂が

材表面に滲み出すことをかなり軽減できます。

 

2.ヤニツボ処理

カラマツには、ヤニツボというヤニが溜まっているこれまた厄介な部位があります。

以下の横長に傷のような部分がヤニツボです。

これが残ったままだと、そのうちここからヤニが溢れだし、

ベタベタになってしまうため、特に、床や壁などの内装材の場合問題になってしまいます。

そこで、乾燥後の検品工程で、その部位を発見し、刃物でざぐり取り、補修する工程が組まれます。

 

特に内装材ではこれら脱脂乾燥ヤニツボ処理に加え、

抜け節や割れなどには埋木処理・パテ処理補修も行い、

モルダーで実加工や相ジャクリ加工をして、床材や壁材として出荷されていきます。

 

カラマツは木目もはっきりしていて、

色つやが綺麗で経年変化も楽しめる点がおすすめです。

 

施工されるとこんな感じになります。

 

カラマツの長所も短所も知り尽くしたうえで、

手間暇を惜しまず製品を仕上げていくこだわりがとても印象的でした。

 

合板用途で出荷量が増えているカラマツですが、

扱い方次第でとても魅力的な材なので、無垢材としてもっと使用されていくといいですね。

 

小林木材さんの Webサイトはこちら

 

 

同じカテゴリーの最新記事