会社紹介2018.08.10
木から生まれる緩衝材 木毛(モクメン)とは??
木製の緩衝材 『木毛(モクメン)』
緩衝材やパッキンと聞くと、多くの方は「紙」製のものやプチプチを思い浮かべるのではないでしょうか?
実は、一昔前までは全国各地に木材を原材料にした「木毛(モクメン)」なるものを製造している工場が全国各地に多くあったそうです。
ただ、多くの産業が直面してきたように、木毛産業も石油製品の普及の波にのまれ衰退の道を辿り、現在では専業で生産している工場は1社のみになりました。
さて、その残り1社となった中でも、様々なアイデアを駆使して木毛に新たな価値を吹き込む会社が高知県にあります。
高知龍馬空港から西方面に車を1時間走らせたところにあるのが、「戸田商行」さん。
素敵な看板が目印です。
タイムスリップしたようなレトロな生産現場
戸田商行さんは、昭和36年に創業され、半世紀以上に渡り木材を活用した緩衝材=木毛の製造を行っています。
素材として利用される樹種は、地元高知県産のアカマツ、ヒノキ、杉、クスノキ。
粘りがあって匂いもないアカマツは贈答品や生鮮食品などの緩衝材に、
ヒノキやクスノキは防虫や消臭効果を活かしてシューズキーバーやアロマグッズの素材などとしても利用されます。
さて、木毛(モクメン)が製造工程をご紹介させていただきます。
工場内の敷地内には高知県をはじめとした地域から調達した丸太が積まれています。
ちなみに、支給材の加工も可能なため、各地の材を活用した企画も実現できますよ。
皮を剥いて、製材・カットされたのち、創業当時から使用されている木毛製造機にセッティングされます。
ガチャンガチャンという連続音とともに、数ミリ幅の木毛が量産されていきます。
創業当時から変わらず稼働する木毛製造機
削られた木毛は、機械背面から排出され、ベルトコンベアで乾燥工程へ。
乾燥機で水分を飛ばし、ふかふかの状態になって完成となります。
木毛(モクメン)の可能性
これまで、各地の製材工場などをお邪魔してきましたが、木毛の製造現場はひときわ興奮しました(笑)
昭和感・レトロ感があるというとちょっと失礼な言い方になるかもしれないですが、
半世紀以上にわたって修理されながらも姿を変えず、必死に稼働する木毛製造機は戸田商行という会社の歴史を直に感じることができます。
木製の緩衝材というカテゴリーが市場から減少の一途を辿ってきたとはいえ、
エコや天然素材を打ち出す製品に対するニーズ、緩衝材用途以外の新たな出口など
以前はなかった時代の流れやアイデアを形にできる環境が増えているのでまだまだ可能性があるなあと感じます。
高知県にお立ち寄りの際は、是非工場もご覧いただき、製品に触れてみてください。