会社紹介2020.05.19

和モダンを演出!カラマツ材を構造材や内装材に。

カラマツ材を構造材や内装材に!

国産材で使用量が多い樹種といえば、杉やヒノキが思いつきますよね。

実際の統計結果も、1位が杉、2位がヒノキになりますが、ヒノキに肉薄する樹種がありまして、それがカラマツ(唐松)

2019年の林野庁の統計データによると、、国内の素材生産量は、針葉樹全体で2,140万立米で、上位3樹種の内訳は以下の通り。

杉 1,227万立米 / ヒノキ 276万立米 / カラマツ 229万立米

3樹種で約80%を占めることになります。杉は断トツですね!

ヒノキとカラマツは結構近い数量なのですが、ヒノキが東北以北を除いて全国各地で生育しているのに対し、カラマツの生産地域はかなり限定されます。

主なカラマツの産地は、北海道(157万立米)・岩手県(30万立米)・長野県(25万立米)。

なんと、この3道県のみで、カラマツの全国素材生産量の9割以上を占めております。

 

さて、そのカラマツですが、土木用材(杭など)や合板用途などでは多く活用されておりますが、割れや狂い(ねじれ)、ヤニ(油分)が多いといった問題から、建築材などの製材用途としては使いづらい材として扱われてきた歴史があります。

ただ、近年はヤニの滲出防止や乾燥技術の進歩により、そうした課題も改善してきており、カラマツの特長である「強度」「耐久性(腐りにくい)」「木目のデザイン性や風合い」などが評価され、構造材、内装材、外壁材などへの活用が進んできています。

 

自宅をカラマツ展示ルームに ~吉本さん(長野県)の取組~

カラマツの良さを知ってもらう為、各産地でいろいろな取組が実施されていますが、新築の自宅にカラマツをふんだんに使用し、実際に見てもらうという方法でカラマツのPRをされているのが長野県で杭丸太や合板用のカラマツを中心に販売している吉本(長野県南佐久郡)さん。

同社専務のご自宅は、現しの柱や天井、床、テーブルなどにカラマツを使用されており、カラマツの特長などがとても分かる設計例になっています。

こんな素敵なリビングで、ゴロゴロしてみたいものです、、、

カラマツの良さのひとつに、くっきりとした木目と経年変化により際立つ赤みのある色あいと艶があります。

写真画像は新築ですが、そうした特徴もあってか「和」の中にとてもスタイリッシュでモダンな雰囲気を感じませんか??

 

吉本さんのWebサイトはこちら

 

独自の乾燥ノウハウで良質なカラマツを販売する小林木材さん(長野県)

上述したカラマツのデメリットは、各地の製材や加工会社さんで改善・克服されてきています。

小林木材(長野県小県郡長和町)さんはカラマツを主体とした製材会社さんですが、様々な方法でカラマツに付加価値を与え、建築材などで活用できる良質な製品を供給されています。

その取組例をいくつかご紹介。

1.脱脂乾燥

高温高湿乾燥機で含水率を下げる過程で、蒸気をあてて材内部にある精油分を木材の外に留出させます。

固形成分はそのまま残りますが、これにより液状の樹脂が材表面に滲み出すことをかなり軽減できます。

2.ヤニツボ処理

カラマツには、ヤニツボというヤニが溜まっているこれまた厄介な部位があります。

以下の横長に傷のような部分がヤニツボです。

これが残ったままだと、そのうちここからヤニが溢れだし、特に内装材の場合問題になってしまいます。

そこで、乾燥後の検品工程で、その部位を発見し、刃物でざぐり取り、補修する工程が組まれます。

 

そうした工程を経て、安心して使用できる無垢の製品が生まれます。

 

 

小林木材さんの Webサイトはこちら

 

少しネガティブな印象があるカラマツですが、材の品質や樹齢(径)によって建築用材、合板、土木用材と幅広い用途で使用されていくことで、材の価値も見直され、利用も拡がっていくのではと思います。

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