現地レポート2018.09.19
ヒノキの集成材工場レポート in 高知県四万十町①
集成材はどのように加工される??
木材の話の中で、よく「無垢材」と「集成材」という言葉が出てきます。
無垢材は「木」そのものが製材されたもので、集成材は「木」と「木」を接着剤で張り合わせたもの、
ということになり、それぞれに一長一短の特徴があるといわれています。
住宅用、家具用、小物用など木材の使用用途も様々なので、
どちらが優れているという議論は難しいですが、今回は「集成材」の製造現場を通して製品についてレポートさせていただきます。
ヒノキ集成材工場 in 高知県四万十町
今回訪問したのは、高知県南西部に位置する四万十町にある四万十町森林組合様の集成材工場。
ヒノキなどの集成材の生産から様々な家具の製造を行う専門工場になります。
周囲は、清流で有名な四万十川が流れ、周囲には雄大な森林に囲まれたとても素敵な場所です。(しばらく滞在したい、、)
こちらの工場で使用する材料は高知県内のヒノキや杉が中心で、製材された板材が工場に集荷されてきます。
工場内で乾燥されたのち、集成材用のパーツ材(短くカットされた状態)に加工されていきます。
集成材の特徴のひとつがここにあるのですが、細かな材料も活用できるので、
1本の木材から無駄を最小限にして製品を加工することが可能になります。
尚、四万十町森林組合では伐採された良質な材は原木市場で主に住宅用途材として販売され、
端材や曲り材といった市場価値の低い材が工場に集められ、集成材に加工されています。
フィンガージョイント工法による集成材加工
ご紹介するのは、いくつかある接合加工の中でフィンガージョイントという加工方法です。
フィンガージョイントは、材料の木口部分をカッターで手の指のような形状(=フィンガー)に加工し、
そこに接着剤を塗って圧締接着して長い材料を作る方法です。
ちなみに、こちらで使用する接着剤は全てF☆☆☆☆基準を クリアしており、有害物質を含みません。
・素材となる短くカットされた材料
・自動化された機械で、小口部分(接着部位)をカット
拡大するとこんな感じ。木口部分がギザギザになってますね。
・ギザギザにカットされた材料同士を接着すると、カチッとはまって繋がります。
そして、表面を仕上げると、
こんな綺麗な材料に仕上がります。
集成材の特徴のひとつが、こうして短い端材などを接合していくことで長い材を生産することができる点ですね。
また、ある程度生産が自動化されているので生産効率も優れています。
尚、こうして出来た材料は、このままでも製品として成立しますが、
このあと板状に接着されることで、テーブルの天板などの家具材や内装材などに発展していきます。
そのお話は次回コラムにてご紹介させていただきます。
今回ご紹介した四万十町森林組合様のWebサイトはこちら