木材2018.08.22
森林認証材を製材会社から購入してみる
注目を増す森林認証材
農業の世界で、農産物の生産工程における安全性や労働環境などを第三者機関が審査する『GAP』という認証制度が話題になっていますが、
林業業界でも『森林認証制度』というものがあり、欧米を中心に世界中に拡がっています。
認証制度には、いくつか種類がありますが、国際認証としてはFSCやPEFCというヨーロッパを本部に持つ制度や日本国内にもSGECという
独自認証制度があります。(※PEFCとSGECは2016年より相互認証が可能となりました)
制度によって少し内容は異なりますが、大枠としては
適切に管理された森林とそこから得られた木製品(紙も含む)の加工・流通過程を認証して、
最終製品にロゴマークを印字することで消費者に訴求することができます。
森林認証材の拡がり
日本では、どちらかというと『紙製品』の方で森林認証品が普及してきた印象です。
最近では、ティシュペーパーや化粧品やお菓子のパッケージなどの消費者に近い製品でも採用が拡がっていますし、
直近では花王、キリン、スターバックスなどの大手7社が紙製品の調達をFSC森林認証紙にするという宣言をして話題になりました。
木材の方も東京オリンピックにおける会場等で使用されることになり、目下注目キーワードにはなっており
特に公共物件や非住宅建築物(店舗など)では採用事例も増えているので今後の普及に期待されています。
以下は静岡県にある静岡トヨペット掛川店
内装材などで地元FSC材がふんだんに使用されています。
FSC認証材を調達してみる
さて、では森林認証材を実際に調達するにはどうすればよいでしょうか?
少し難しいのですが、森林認証制度には「森林」自体への認証とは別に、
加工・流通過程においても認証が必要で、(COC認証と呼ばれる)
製材された認証材を購入する場合、認証を取得している製材会社や流通業者から購入する必要があります。
(購入者が加工したりして認証品として販売する場合は、その購入者も認証取得が必要なので注意が必要)
当社はFSCのCOC認証を取得していますので、この度FSC認証材を購入いたしました。
発注先は、FSC森林認証の一大普及地である静岡県・浜松市にある丸志木材さん。
丸志木材さんは、木材産地としても有名な天竜地区に本社を構え、杉を中心に製材されておりますが、
製材しているほとんどの丸太がFSC材という製材会社さんです。
こちらが今回購入させていただいた厚み45㎜の杉材。
節も少ない良材です。
今回、数量にして4立米ほどのFSC材を準備いただき、(長さ2mの板で、300枚ほど)
トラックで福井県まで運んでいただきました。
この材料を使い、あるグッズを製作していきます!
尚、今回FSC認証材を発注した丸志木材さんの他にも
認証材を扱う製材会社さんはたくさんございます。
キバドットコムにてご紹介している木材事業者さんは以下の通りです。
・空知単板工業(北海道) 【FSC森林認証/PEFC森林認証】 ・・・突板・化粧合板 など
・トライ・ウッド(大分県) 【SGEC森林認証】 ・・・杉(原木/製材品)
・吉田製材 (奈良県) 【SGEC森林認証】・・・吉野ヒノキ 各種製材品
・丸志木材 (静岡県) 【FSC森林認証】・・・天竜杉 各種製材品
・小林木材 (長野県) 【SGEC森林認証】 ・・・ 信州カラマツ 各種製材品
詳細はこちらより 森林認証取得企業一覧
まだまだ木材業界では認証材の流通分野で認証が切れてしまい、認証材を手配しづらいという側面がありますので、
上記のような直販が可能な製材会社さんから直接購入されるのもおすすめです。