木材2018.07.20

国産の松「アカマツ」の今後に期待

日本の松:アカマツ

日本の松で代表される樹種であるアカマツ

北海道から本州、四国、九州と幅広い範囲で生育しており、

文字通り、樹皮が赤いことからこの名前がついている木材です。

クロマツと並び、国産の松という意味で「地松(じまつ)」という呼称でも呼ばれています。

ちなみにカラマツは名前にマツとはついていますが、マツ属ではなく、いわゆる「松」とは異なります。

 

木材としてのアカマツ

アカマツと聞くと、秋の味覚 松茸というイメージがありますが、

古来より建築材としても重宝される樹種なんですね。

大きな特徴としては、強度があり(国産針葉樹でナンバーワン!)、その粘り強さから

家の重さを支える梁(はり)や桁(けた)といった横架材として活用されてきました。

 

東北や信州、山陰地方を中心に幅広く生育するアカマツですが、

残念ながら製材品向けの生産は減少傾向にあります。

背景としては、米松をはじめとした海外産のマツ(パイン材)に市場を奪われてきたことや、

マツ類特有のねじれや曲り、松脂(まつやに)などが現在の建築業界において敬遠されてきたことなどが挙げられます。

他にも、マツノザイセンチュウという線虫によって健康なマツが枯れていってしまう被害が

全国的に拡がっているといった問題もあります。

 

一方で、現在は製材や乾燥技術が進歩していることもあり、

梁や桁材のみならず、フローリングや壁材などの内装材をはじめ

デザインも優れた建具、家具材として活用されるケースも増えており、利用価値の拡大にも期待されてます。

 

アカマツの製材工場へ

今回、アカマツの産地としても知られる長野県にて、

アカマツの製材をメインにされている伊藤木材さんを訪問してきました。

最初にご案内いただいたのは、長さが10mもあろうかと思われるアカマツの大径木。

どうやって製材するのかと思いますが、こうした材を扱えるというところも同社の強みのようです。

 

 

写真右にある丸太と比較すると、その大きさが際立ちます。

 

 

製材された材は、天然乾燥、人工乾燥を組み合わせて最適な状態で県内外に出荷されていきます。

杉やヒノキと比較すると、色艶も含め、広葉樹のような重厚感も感じられます。

 

 

 

 

アカマツは、青森や岩手なども産地として知られていて、

最近では様々な利用提案もされてきているようです。

また、各地の面白い事例などがあればご紹介したいと思います。

 

 

 

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