木材2018.06.07
カラマツの時代到来?内装材や外壁材でも人気上昇中
見直されてきたカラマツ
国産針葉樹というと、おそらく杉やヒノキなどがパッと思いつくかと思います。
実際の素材生産量を見ても、圧倒的に杉が多く、その次がヒノキとなります。
それ以外はというと、主にマツ(松)になりますが、
マツの仲間で素材生産量がヒノキに次いで3位に位置するのが、、、『カラマツ(唐松)』
統計を見ると、2位のヒノキに肉薄しています。
参考)素材生産量(H28 データ 農林水産省)
・ヒノキ 246万立米
・カラマツ 231万立米
製材用途としては、まだヒノキとの差は大きいのですが、合板用途の伸びが非常に顕著です。
カラマツの特徴
カラマツは、主に北海道、東北地方、長野県などの寒冷地で、
戦後の拡大造林中などに積極的に植林されました。
カラマツと他の針葉樹との大きな違いは、「落葉樹」であるという点で、つまり秋には紅葉するんです。
カラマツの材としての主な特徴は、
・強度がある (国内主要針葉樹の中で2位 ※1位はアカマツ)
・耐久性がある=腐りにくい (同2位 ※1位はヒノキ)
・年輪が明瞭
・経年変化により味わいのある赤みを帯びてくる
といった点があります。
ただ、カラマツは割れや狂い(=捻じれ)、ヤニ(油分)の問題があり、
土木用材などでは重宝されてきましたが、製材用途としては使われづらい材として認知されてきた経緯があります。
カラマツの反撃
ある意味、不遇の時代を過ごしてきたカラマツ。
ところが、最近は乾燥や加工技術などの進歩もあり、利用用途が拡がってきています。
その代表が、前述したカラマツ合板。
近年外材から国産材にシフトしつつあることに加え、カラマツ合板工場も各地に稼働をはじめ、
原木市場ではとても活況な荷動きをしているようです。
また、一般住宅をはじめとした建物においても、
桁や梁材、フローリングや壁材、デッキ材などとして利用も増えており、
特に、耐久性などが好まれ外壁材としての人気が高い材になっています。
不遇の時期が長かった為か、木材自体の齢級が高く、蓄積量も豊富なため、
今後の利用拡大に期待される樹種といえますね。