現地レポート2018.12.17
青森ヒバの製材工場 訪問レポ
青森を代表する木材「青森ヒバ」
秋田杉、木曽ヒノキと並び、日本三大美林に数えらる「青森ヒバ」
青森ヒバは、和名で「ヒノキアスナロ」と呼ばれる針葉樹で、同種材のほとんど(80%以上)が青森県に分布する同県を代表する材です。
寒い土地で、耐えながらゆっくり生長する材の為か、水やカビ、雑菌に対する耐性が高く、古くは寺社仏閣、現在では建材以外に様々な抗菌グッズでも人気が高い材になります。
青森にてヒバの原木市場~製材工場を訪問
今まで、青森ヒバを使って木工品などを製作したことはあったのですが、今回はじめて原木から製材品になるまでの流れを勉強させていただきました。
まず、訪問したのは青森市内にある「青森木材センター」(青森県木材協同組合)
ちょうど競りの後ということもあって原木量は多くはなかったですが、立派な青森ヒバが土場に並んでいました。
ヒノキに近いですが、少し黄色がかった材が特徴でしょうか。
こちらの原木市場では、全国から青森ヒバを扱う業者さんが集まり、それぞれ用途に応じた丸太を購入されていくそうです。
そこから、車で20分ほど移動したところにある青森ヒバ専門の製材会社 「齋藤木材」さん。
創業130年を超える老舗の製材会社さんです。
先ほどの原木市場で調達された青森ヒバの原木を台車型の製材機で挽いていきます。
量産型の自動製材機も見ていて面白いですが、職人さんが丁寧に挽いていくこのスタイルも好きです。
齋藤木材さんでは、土台をはじめとする構造材の他、フローリングや羽目板、集成材なども加工されてますので、用途に応じて幅広く相談ができる印象でした。
以前、材の相談をさせていただいた際も、サンプル手配など快く対応いただきました。
こうした短尺材も木工屋目線からするととても魅力的です。
全体的に、節が少ない材が多いです。
青森ヒバ自体は、蓄積量は多いですが政策上、出材量はかなり減少しているそうです。
また、杉やヒノキとは異なり青森に特化した材料という事もあって認知度はまだ低いのかもしれません。
ただ、優れた効能や耐久性は他の材にはない特徴で、活かしどころはたくさんありそうです。